冬の朝





キン、と冷えた空気。

 

早起きな街人の散歩の足音も

いつも響いてくる車のエンジンのノイズさえもない

不思議なほど音の無い朝。



清閑な空気が忍び込むような窓の外はきっと

朝の喧騒を全て包み込んだ

銀世界。





「寒いね」



だから余計に暖かい、お互いの温もり。



「あったかいだろ?」

「うん、あったかい…」



ブラインドの隙間からわずかに差し込む朝の光は

辺り一面の銀色を反射して 二人の吐息のように白く煙る。



「お仕事オフで良かったね」

「ああ。ずっとこうしていられるな」



頬に触れたお互いの鼻先がひんやりと冷たくて

温もりを求めて唇を触れ合わせれば

溶け合う、体温。



「でももう起きる時間だよ」



「…離れたら凍え死ぬ……心まで」



だから



「ふふ…………キザ」







もう少し、このままで。









FIN


いやっほーーぅ☆
夏生さん(TRIP×TRIP)が今月のTOP絵に素敵なSSをつけてくださいました!!
ぷちコラボ再び…!


戻る