<SS The STANDARD>


それが、基本

これで、標準



The STANDARD




「ね、…ヘンじゃない?」

久しぶりだから、と恥ずかしそうに振り向いた彼女は世界で一番
可愛かった

ぴったりとした白いタンクトップにミニのタイトスカートからすらりとのびる脚はもちろん
生アシである。

そう、これは以前ティファが好んで着けていたあの衣装だ。

「あ、ああ、…大丈夫だ」

何が大丈夫なものか。ヘンなのは俺だ。頭の中でもう数百回鐘が鳴り響いている。

ティファは直立不動でピクリとも動かない青年を見つめるとふふ、と頬を染めて微笑んだ。

「…
ヘンなクラウド。この服、着ちゃいけないって言ったのクラウドのくせに」

当たり前だ。 他の野郎共になんか見せてたまるか。俺だって随分
我慢したんだ

何やらこれは男のロマンとかいうやつらしい。

「…クラウド?」

無表情(に見えるのだこの男は)のまま言葉を発さないクラウドを不審に思い、

ティファは紅茶色の瞳をくりっと上目遣いにすると、その顔を覗き込む。

そのあまりにもあどけない表情にクラウドはびくっと僅かに
身じろいだ

…これは
犯罪だ。わかってやってるのかティファ。

「ね、これでホントにバレンタインのお返しになるの?」

首を少しだけ傾げた彼女の小さな唇はグロスとかいうもので
ぺかぺかと光って見える。

それを凝視しながらクラウドは
こくこくと何度も頭を縦に振った。

犯罪?いやもうバンザイだ。メテオでもセフィロスでも何でも来やがれ
こんちくしょう

クラウドはティファの両肩に手を置いた。スマートな行動に見えるが、何のことは無い、煮えたぎる血流が

どこだか知らんが一点に集中し、不自然に体を
前屈みにさせた時につかまっただけのことだ。

「よ、よし。
やろう、ティファ」

直接的過ぎる言動に一瞬で気が付き、恐る恐るティファの反応を見るクラウド。

彼の心配はあっけないほど簡単に消失した。目の前には予想に反した満面の笑みを湛える彼女が居たからだ。

「うん!クラウド!」

「え」

鐘は鳴り響き続ける。心中で誰にも見せたことのない盛大なガッツポーズをくりだした。


「久しぶりね、クラウドと手合わせなんて!」


そうだ。久しぶりなのだ。一週間もウータイであの忍者娘にこき使われて今朝方やっとの思いでティファの元に帰ってきたのだ。

今すぐにでも手合わせ願いた い…



テアワセ…?




いそいそと子供のような笑顔でクローゼットの引き出しを開けるティファ。

待て。待て待て。その引き出しは確か…。

グローブ着けていい?

待ってくれ。

嬉しそうに装着し始めたのはプレミアムハート。手加減は無しのようだ。


俺は…。


………

宙をさまよっていた両手はようやく自分の膝へと落ちた。

「ああ、…いいよ…」

…涙が出そうだ。


「何
ヘンなカッコして!早く行きましょv」


うきうきとした弾む声で腕をとられ、引きずられるようにして部屋を出たクラウドは閉じた瞳の端から流れた生温かい滴をこっそりと拭った。




FIN



寸止め。
テアワセも寸止め。
隙を見て揉むも良し(ダメだって)

ヘタレクラウド全壊…いや全開。
AC発売後はクールビューティーなクラさん鼻血もヨダレすら許されません。
でも7本編の彼が私を赦してくれません。誰か助けて。


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